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研究室紹介「北見工業大学 機械システム工学科マイクロナノ加工学研究室」

本研究室は、田牧純一教授、久保明彦助手、杉野豪技術員の3名のスタッフ、博士後期課程1名、修士5名、学部生6名と共に研究プロジェクトを遂行しています。研究専門分野はマイクロ・ナノレベルの除去加工ですが、硬脆材料を対象とした超砥粒ホイールによる研削加工とダイヤモンド工具による切削加工が主体です。 今年から、同学科計測制御研究室(尾崎義治教授)と共同でマイクロナノレーザ加工に関する研究を開始しました。
現在進行中の研究内容を紹介します。

1)接触放電ツルーイング/ドレッシング
ダイヤモンド砥石を用いた研削加工は、ツルーイング(形状修正)・ドレッシング(砥粒突き出し)技術を確立すれば砥石形状の経時変化が少なく安定した研削性能が得られるという優れた特性を有しており、本研究室では、メタルボンドホイールのツルーイングとドレッシングを同時に行うことのできる接触放電(ECD)法を開発しています。また、平型ホイールの軸方向断面プロフィルをサブミクロンの真直度にツルーイング(成形)する方法として、円弧群の包絡線によって直線を創成する「包絡線創成ツルーイング」法を提案しています.この方法と接触放電(ECD)法を組み合わせることによってメタルボンドホイールの精密ツルーイングに適用できます.
2)切れ刃トランケーションによる超精密研削
粗粒のメタルボンドダイヤモンドホイールや粗粒の電着ダイヤモンドホイールの砥粒切れ刃先端を切り揃え、ホイール作業面上に精密に揃えることによって、光学ガラス、セラミックスなどの硬脆材料やアルミ合金のような延性材料を鏡面に近い状態の仕上げ面に研削加工することができます。この手法は「切れ刃トランケーション」と呼ばれています。切れ刃トランケーションによって、従来鏡面研削に使用されていた極微粒ホイールに代わり、切り屑排出性に優れた長寿命の粗粒ホイールを使用できるようになります。本研究室では、メタルボンドダイヤモンドホイールを対象として切れ刃トランケーション技術の開発と加工条件の最適化に関する研究を 行っています。
3)ソリッド型CVDダイヤモンドドレッサ
マイクロマシンの機械要素やディーゼルエンジンの燃料噴射ノズルなどに代表される直径数ミリメートルの深穴を高精度・高能率に加工することが望まれています。この用途に用いられるCBN研削クイルは細長く外力によって変形しやすいため、ドレッシング時の振動と抵抗をできるだけ低く抑えることが重要となります。本研究室では、この目的を達成するドレッサとして、導電性CVD厚膜ダイヤモンドディスクを用いたソリッド型ダイヤモンドロータリドレッサを提案し、その有効性を検証 しています。
4)CVDダイヤモンドバイトによる超硬の切削
超硬金型の加工は一般的に放電加工や研削加工で行なわれていますが、これらの加工法は、高精度加工という優れた特徴を有する反面、加工能率が低いという難点を持っています。本研究室では、超硬金型加工の高能率化を図ることを目的として、超硬の粗仕上げを切削で行なうことの可能性を検討しており、CVDダイヤモンド単体からなるバイトを試作してその工具摩耗特性を検討しています。
5)YAGレーザ溶接ロボットにおけるビーム位置と姿勢の機上計測
多関節ロボットを用いて多品種少量部品の溶接を行う場合、実際の溶接時間よりもティーチング作業に多大の時間を要し、その結果、高い生産コストとなってしまうのが現状です。YAGレーザ溶接の場合、ビームスポット径がサブミリ単位ですので、高精度のティーチング作業が同時に要求されます。本研究では、溶接したい部品のCADデータを用いてオフラインティーチングを予め行なっておき、溶接前にそのデータを使って実機上でエンドエフェクタを運動させることによって、溶接線に対するレーザビームの位置と姿勢を機上で計測する手法を提案しています。計測手法は、平行なレーザスリットビームを工作物に照射し、CCDカメラに得られる画像パターンを幾何学的に解析するというものです。この手法は、突合せ溶接の他、T継手溶接や円管溶接 にも適用可能です。
 詳しい内容等は次のHPを参照してください。(. http://nano.mech.kitami-it.ac.jp

ものづくり教育機器の紹介

 本学機械システム工学科は、創造性を発揮して「ものづくり」を実践できる技術者の育成を目指しており、本研究室では、その一環として、「CAD/CAM」教育を担当しています。具体的には、(1)CADで設計した形状を光造形機で「もの」にする、(2)粘土で作成したモデルを3次元スキャナでCADデータに変換し、光造形機で「もの」にする、(3)CADで設計した金型をマイクロフライス盤で作成し、射出成形機で「もの」にすることを体験させています。


本年7月、北見工業大学で開催されるセミナーを紹介いたします。

本学、機械システム工学科内において、ものづくりの楽しさを高校生に体験させる高校生セミナーを2007年7月29日に開催します。事業名は「光造形と射出成形によるコンピュータ支援ものづくり体験」、(日本機械学会 機械工学振興事業資金助成事業、 生産加工・工作機械部門 企画)


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