私の手元に北川先生からお借りした北見工業大学で開催された第1回と思われる精機学会(現精密工学会)北海道支部北見大会の写真があります(ホームページで公開される予定です)。北川先生、拝借したままでごめんなさい。故星光一先生を中心に三浦・中江・佐藤・沖野・斉藤諸先生等18人の北海道支部を興隆し、支えてこられた先生方が並んで写られています。私が48期の支部長ですから、支部ができてから約半世紀になります。このお写真を拝見すると、精密工学会北海道支部は本当に多くの分野の諸先輩が精密をキーワードに、北海道からパイオニア精神で全国・全世界に向けて学問・技術を創出してきたのだなぁと諸先輩の活躍を思い出すとともに、改めて身の引き締まる思いが致します。 [S42精機学会]
北海道は、札幌を中心に200Km圏の広い範囲に会員が存在します。これは中部地方8県がすっぽりと収まる面積に相当します。会員数は100前後に推移していますが、毎年、札幌、旭川、北見、釧路、函館、苫小牧、函館、室蘭と輪番で支部大会が開催されています。支部大会は会員約80名の研究者・技術者が参加し、懇親会は同窓会さながらの雰囲気を醸し出しています。これは、先ほどの写真の第1回講演会から受け継いだ北海道独特の伝統ではないかと思います。今年度は、苫小牧工業高等専門学校の中津先生が実行委員長となり苫小牧で支部大会が開催されます。是非、多くの支部会員のご参加をお願い致します。
さて、支部の課題ですが、歴代の支部長から支部長会議で最も嫌な思いをするのは、法人会員数の報告だそうです。法人会員をどのように増やすかは歴代の悩みと伺っています。今年度は、先の中津支部大会実行委員長が、北海道トヨタ自動車を中心に関連会社に積極的に会員獲得に働きかけていただけるとのお話を伺いました。私たちも強力にバックアップし、なんとか法人会員の獲得を最低2は目指したいと思います。各地区の会員におかれましてもWEB級会員でも十分ですのでご協力いただければと思います。一方、法人会員に取ってそのメリットは何かをひるがえって考える時、それは私たちが地域企業とどれだけ連携できるかにあるのではないでしょうか。旭川に帰りますと、景気のよい企業なんてどこにもないよといわれます。それだけ、困難な状況にあることはわかりますが、会員全員でこの問題に取り組めれば幸いです。学生会員をいかに増やすかも問題です。北海道支部は、学生会員の発表が多く、ある意味で学会発表の登竜門となっています。北海道大学に精密工学科がなくなったこともありますが、精密工学出身の先生、及び、各地区の大学・高専の先生方、今年もよろしくお願い致します。
精密工学会は、来年度で75周年となり、来年3月には中央大学にて周年行事が実施されます。北海道支部でも、北海道大学の金子先生を中心に支部での周年記念行事への取り組みへのワーキング・グループができました。6月より動き出す予定ですが、よいアイディアが是非金子委員長へお知らせ願えればと思います。
最後になりますが、今年度の9月に旭川で精密工学会秋期全国大会が開催されます。この大会は、旭川コンベンションセンターが5年前から精密工学会に誘致運動をし、支部が旭川で開催することを了承することで、開催の運びとなったものです。本来は東北地区でしたが、精密関連の国際学会を東北大学で開催するとのことで、今年度に旭川となりました。全国大会のキャッチフレーズは「カムイミンタラきてみたら」です。「カムイミンタラは神々の遊ぶ庭」を意味し、大雪の美しい高原地帯を指しています。その心は神々の遊ぶ庭の下で多いに精密工学を語ろうとなります。多くの会員方には実行委員を依頼致しましたが、実行委員長としても全力を尽くし、大会を成功裏に終わらせたいと思います。
今年度の支部講演会を苫小牧高専が引き受けさせて頂きました。苫小牧での精密工学会の講演会は4回目になろうかと思います。前回は1999年でした。私はそのすべてにかかわらせていただきました。今回は古川新支部長の号令のもと、道央圏の企業の技術者参加による企業と学会との連携強化を目指して活動中です。 苫小牧市からの講演会助成は従前教育委員会からでしたが、今回は経済部企業誘致振興室工業労政課から助成していただくことになりました。また関係機関への協力要請もしていただけく予定です。
特別講演講師は、いまや道内製造業のトップ企業となったトヨタ自動車北海道の取締役 吉田誠一氏にお願いし、快諾を得ております。吉田氏はトヨタ自動車の北米進出の足がかりとなるプロジェクトにおいて中心的役割をし、今日の世界一となる礎を築いた方です。
研究講演会場は前回までの古い校舎ではなく、2004年に新築された専攻科棟の教室を中心に行います。教室も広めとなっており、多数の研究発表と参加を期待しています。また懇親会はグランドホテルニュー王子を予定しております。こちらの方も多数の参加をお願い致します。 講演会の日程が旭川での全国大会と近い上、学内的にも、夏休み中は公開講座、見学会、編入学試験、道内専攻科特別研究発表会、大学院入試など過密な日程となっており、準備に落ち度があるかもしれませんが、あらかじめご容赦下さい。当日は学会委員6名と専攻科生のアルバイトで準備、進行を勤めます。不明な点は何有りと係に申しつけてください。 [校舎から樽前を望む] 写真:校舎から樽前山を望む
苫小牧市は、甲子園優勝、準優勝、野球部長の暴力、市長の不祥事など全国的な事件もあり、話題になることが多いので、苫小牧のことはよくご存じと思います。今、苫小牧は、景気の後押しもあり、工業の町として発展しつつあり、市内の雰囲気は活気があるとはいえ、どこか殺伐としております。しかし、ここ苫小牧高専は自然に恵まれた樽前山のすそ野にあり、校舎からは雄大な山並みを見ることが出来ます。研究講演会で疲れた頭をこの景色でいくらかでも癒すことができれば幸いです。